あらたま@メモ魔通信

くらしの一コマ、ねこ、きもの、ラーメン、読んだ本、などな日々の活動メモ。書いて、読んで、猫と暮らす。丁寧ではないし、断捨離もしてないし、OLもしてません。

【読書記録】プロジェクト・ヘイル・メアリー

 一棚お借りしているシェア型書店『猫の本棚』さんにてお迎えしてきた作品。

 棚主さんの熱い読後感に押され、どんだけおもしろいんだっ!と気になって気になって……勿体ながって大事に大事にしてしまったけれど、そんな場合か!と夏の読書合宿(=おうちにこもって本を読むだけ)にようやく解禁。


【読み始め】2023年7月18日
【読み終わり】2023年12月28日

 

 

 

2023年7月18日

 早川書房だから、というわけではないけれど……ないんだけれど、だがしかし!

 信頼と実績を端々に読み取れる翻訳センスと硬派にしてニワカな私にも優しそうな世界観のSF。このバランスが開始数十ページで心を掴む。ワクワク。

 専門知識で読者の(映画ならば観客の)頭の中を蹂躙するSF作品はたくさん見てきたけれど、それらはえてして物語としてのオモシロさや鑑賞という行為の楽しさについては疑問符いっぱいになるまでがワンセットなことが多い。論文を読んでいたのか?はたまた、絵や図説がない『うちゅう』の図鑑だったのか?

 本書にはちゃんと「物語」を感じる。人間を楽しませる「人間」への愛を感じる。期待大!

 

2023年7月19日

 主人公の現在の状況と過去の交錯がリズミカルに物語を牽引する。見事だ!

 過去が詳らかになるにつれ、主人公のチャーミングな天才ぶりが浮き彫りになり、思わず「がんばれ、負けるなっっ」と特撮ヒーローを応援するチビッ子の気分になる。この軽やかさと知性のバランス、今まで体験してきた『地球がヤバいよ、人類どーする!?』系の物語には無かった気がする。

 

2023年12月28日【読了】

 えらいことになった……という場面で下巻へ。

 私自身も「えらいことになってきたぞ」という感じ。

 物理は赤点ギリギリ、よくも留年しなかったな(留年した後の私を、どの先生も面倒見るのを嫌がっていたという説が濃厚……)というレベルの私でも、なんとかここまで脱落せず面白がって読めてきたけど、そろそろ理解が追い付かなくなってきた専門知識が出てきた。

 そうとう噛み砕いてユーモアたっぷりの比喩でわかりやすく描いてくれる作者と、絶妙な言葉選びの翻訳者に、想像以上に助けられながら読み進んできたんだなあと思う。

 

 とはいえ、根幹にある「地球を救え!」の物語は、専門知識ちんぷんかんぷんでも目が離せない面白さがある。

 続きが気になる!決まってるじゃないか!この一大プロジェクトの結末を見届けなければ、私は絶対に後悔する。