某所で相互フォローしている方から「たぶんお好きなタイプのお話だと思いますの!」とご紹介いただいた本。
近所の本屋さんに無くて、Amazonでポチった。
なにかと叩く人がいるけれど、ちゃんと便利なところもあるぜ?Amazonも。
【読み始め】2023年12月5日
【読み終わり】2023年12月26日
2023年12月5日
また、翻訳陣の文体の癖との相性を鑑みても、創元推理文庫はこの活字でなければならないし、物語を美味しく読むためには欠かせない要素だと思っている。
私が老眼鏡をどこまで使いこなすか?
冒頭から「これは何度も読み込みたい本だ」と思わせてくれるこの本を、私はあとどれだけ味わえるのか?欲深いコトこの上ない年末。
2023年12月24日
不思議な猫と少し「抜けた」ところのある人間とのドタバタファンタジーみたいなつもりで読んでたら、一気に黒魔術ミステリーへ!
猫を「かわいい・癒し」としてしか描かない日本の創作界隈において、化け猫や猫又もファンシーキャラクタとして立ち上がってくることにある種の嫌悪感を抱く私にとっては、この物語における猫の立ち位置はとても嬉しい。
猫と長年暮らしてみて思うのは、猫とという種族は己の可愛さを武器に人間を顎で使い、己の配下とした人間にはその理不尽さを「喜び」として教え込むことに実に長けている、ということである。
実に魔的!魔的にかわいい!可愛い故になんでも願いを叶えてあげたくなっちゃう!……嗚呼、まるでホストにハマるどっかの誰かみたい。我ながら嘆かわしい(とはいえ反省はしていない)。
この物語の根底に流れるのは、そんな「かわいくも気高く、ゆえに孤高」な猫の魅力が真っ直ぐに描かれている。残りあとわずかで読み終わってしまうのが実に……実に惜しい!
2023年12月26日【読了】
素晴らしかった!
ユーモアと黒魔術の風味と、毒がたっぷり効いた猫への愛。ホラーっぽい顔をしつつもいたずらにオカルトに責任をなすり付けず、あくまでも事件は『人間対人間』で成立するのだという皮肉に満ちた物語だった。
前段にも書いたが、猫は人間に癒しを与えるために存在しているのではない。また、人間に富と名声を与えるためにも、もちろんだが存在してはいない。そんな人間たちの『私利私欲』など、猫には知った事ではないのだ。
あくまでも、猫は猫として生きるために、モフモフな毛皮を纏って喉をゴロゴロ鳴らす。ちゅ~るを貰うときは目を真ん丸にして寄ってくるが、食べ終わったなら「もういい、あっちいけ」ってなもんである。
だから、本書で猫の怒りをかった者の末路は……明け方の一番素敵な夢見の時間に、猫の大運動会で叩き起こされるよりも恐ろしい目にあうのだ、とだけ記しておこう。