文学フリマ京都でお迎えした作品。
小柳とかげさんの怪異短歌集、弐作目。和綴じの雰囲気も相まって、期待大。
※書影は私が独自に撮影したものです。作者様や発売元様よりご要請ありましたら、画像の削除又は差し替えることがあります。
【読み始め】2024年2月7日
【読み終わり】2024年2月7日
2024年2月7日【読了】
一作目に続き、鮮やかな闇が広がる素敵な歌集だった。
一首一首が既に怪異そのもの。街中に、学校に、手招きすることもあればただそこにじっとしているものを、いたずらに飾ることない言葉で表現……というよか「再現」している。そんな感じ。
語りだったり、小説だったり、ルポだったり、ある一定以上の尺を求められる作品の場合、小柳さんが切り取る怪異は「何かが足らない」と脇に避けられてしまうことが多いのじゃなかろうか?
短歌でなければ……短歌だから……その不気味さ、哀しさ、そこはかとないユーモアを存分に発揮できる怪異が、この世には少なからず存在するってことなのかもしれないなと、怪異を捉まえるにあたって失敗ばかりの私は本書のページを何度も行ったり来たりした。
小柳さんの才を大変に羨ましく思う。
私にはとても真似のできないシリーズ。
そんな本書で「これはいったいどういうことなんだろう?」と想像が膨らみ過ぎてしまい、この一首が連作短編に転生するのでは⁉とあれこれ妄想したのがこちらの作品だった。
隣人は可愛い女の子 そのドアで入居者募集の紙が古びて
(怪異短歌集 弐 p.17)
小柳さん、この部屋にまつわる短編集、御執筆の予定はありませんでしょうか?
o(^-^)o ワクワクッ