2023年12月に京都へ日帰り旅に出た。
数々のおつかいをこなしたのち、ミケパンチさんの絵と語らい、そういえばギャラリーの住所は……と思い出してGoogleマップで検索。以前より伺いたいと願っていたアリバイブックスさんがギャラリーの御近所だった。
四書店の共同運営という形態ながら、店内は最初から「そういう古書店」だったように心地よく個性が混ざり合っていて、なるほどこれは長居してしまうなあと思う。
なんでもきっちり分類して、需要に応えろ・個性を出せ・ターゲットを絞れ、と言われる昨今において、こういう空間はむしろホッとできてうれしいよな……と私自身の本屋さんとしての在り方にも大きなヒントをいただいた気がする。
そんなアリバイブックスさんにて。
奇をてらわず、私が大好きだ!と思った一冊をお迎え――
【読み始め】2023年12月19日
【読み終わり】2024年1月21日
2023年12月19日
アリバイブックスさんでお迎えした数時間後、帰りの新幹線の中で読み始め。
今さっき歩いたばかりの通りを思い出しながら本書を読むと、そのリアルさ加減たるや「もしかして怪異とすれ違っていたりして」なんて勘違いもするほどであり、想像に残りの糖分を使い果たして早々に眠くなってしまった。
2024年1月18日
文学フリマ京都8から帰ってきて、少々の体調不良で本を読むのもままならなかったけれど、ようやく朝の読書時間を確保できるまでには回復したらしい。
京都の残り香が漂っているうちに本書を読み終えたくて、さっそく手に取る。
これを機に「読んだ気になっている古典」を読みたいなあと、本書内で紹介される書物情報に付箋を貼っているのだが、それ以外にも付箋を貼っとこうかな?と思う情報が実はぎゅうぎゅうに詰められていることを発見した。実際に京都に行き、足を使って街を観察したゆえの、好奇心の発露ってやつだろう。ガイドブックよりもディープでダークな京都案内というのは、なるほど本のタイトルに偽りなし。
2024年1月21日【読了】
古地図と現代地図を突き合わせて、実際に足を運べる「異界の入口」だけでなく、怪異の正体に迫るための参考文献まで、本書で詳らかにされる京都の情報は興味深いだけでなく幅も深さもボリューミー。私自身何度か歩いた場所でも、別角度からもう一度見て見たい!と思わされたりと、読んで良かった実用書だった。
気付けばまあまあの数の付箋を貼っている。
もう一度通読して、付箋をひとつひとつ外しながら情報を深掘りして、足腰が元気なうちに、本書を頼りに広い京都を歩き回って散策したいなあ。
アリバイブックスに伺った年末と、年始の文学フリマ京都8。これまでに行ったつもりで行ってなかったスポットも訪れたけれど、カジュアルな観光ではすくい切れない秘密はまだまだいくらもあるというのがわかった。そして、何度か訪れた場所にも、見落とした闇が千年の時を越えて今なお蟠っているのだということも。
さて、次はいつ、京都に行こうかなあ。訪れる順番も含めて、しっかり計画しなければ!