Amazon Prime Video にて鑑賞。
ロシア製SFでスプートニク、ときたらなんだかロマンチック要素もありそうなアクションものかな?と思ったんだけど、サムネイルにヘンテコ生物がいた。
【前】
正直な話、見始めて数分で「あれ、そっち?」と腰が引けた。
一時期エイリアンものの映画を見すぎて、胸焼けを起こしたことがある。
しかしそれらはメイドインアメリカ……ロシアのエイリアンはあっさり塩味(?)かもしれないし。
ちょっと休憩して、珈琲をいれなおして、続きを見た。
【後】
ロシア映画……恐るべし。
エイリアンの目的とか意味不明なところはスパッと潔くさておいて、政治的な駆け引きや登場人物たちが抱く影、心情を、陰鬱な画面の中で丁寧に切り取っていく。SFホラーの括りの中にはあるけれど、どちらかというと主題は人間賛歌のような気がした。
あのラストを見た後の、この気持ちはなんだろうなあ。
一番近いところでいうと『アルジャーノンに花束を』の初読時、最後の一行を読み終わった後の、茫漠とした寂しさと奇妙な安心感がないまぜになった、泣きながら走り出したい気持ちを希釈した感じ?
ありきたりと言えば、ありきたり。けど、それで良いのだ、そうなるべくしてそうなってしまったのだ。
予定外なことはたくさんある。それはフィクションでも、現実でも、だ。映画みたいな奇跡はそうそう起きるもんじゃないけれど、強く、生きていきましょう……。