【kindleで読書】
『はっちゃんがゆく』が面白かったので、同じく文藝同人無刀会刊行作品からチョイス。
表紙を見る限り、怖い話なのかごりごりのSFなのか、判別できない。だが、そこが良い。ワクワクする。
【読み始め】2023年6月22日
【読み終わり】2023年6月30日
2023年6月22日
いきなりの不幸発進に、ドキドキした。
嗚呼これは「大好物」の匂いがする。
そして再びの、いきなり哲学展開。それも仏教思想。
哲夫氏@笑い飯の小理屈ネタに通じる小気味良さがグイグイと読ませてくれる。
2023年6月30日【読了】
とても懐かしい読み心地の中、しばし放心。
自分の輪郭がぐにゃぐにゃになって不確かな空間を漂うような、上も下も右も左もわからない真っ暗闇で両耳ひっぱられて四方八方に引きずり回されるような、ただただ概念の大洪水を味わわされた。こういうのをして「いっそ、清々しい」って言うんじゃなかろうか?
哲学小説?SF小説?
そういう線引きをするのは、この小説の前では野暮だと思う。
ただただ委ね、楽しむ。有益な学びも、とって付けた感動も、ぜんぶ『6』に食わせてしまえばいい……ああでも『6』はそんな添加物めいたもの、食べたくないというかもしれないなあ。
小説とは何か、という問いに対しての、ひとつの真実になる可能性。
読書体験そのものが一種の恐怖足りえる可能性。
私一人では到底答えを導けそうにないから、皆様こぞって読んでいただきたい。