【kindleで読書】
タイトルに「○○しなさい」とついている本は、ことごとく避けてきた。
なんだか洗脳されるような気がして、身構えてしまうのだ。
なのになぜ本書を読もうと思ったのだろう?しつこい疫病禍の中あまりの人恋しさに、帯にあった『お母さんに電話したくなる本』という煽り文句にほだされちゃったのか?
ともかくも、kindle端末にいつの間にかダウンロードしてあったのを読み始めた。
【読み始め】2023年2月28日
【読み終わり】2023年3月15日
2023年2月28日
2023年3月15日【読了】
途中でメモらしいメモを取ることも無く、そして泣くことも無く……なんだかとっても著者様や担当編集様、出版に関わった全ての方々や熱烈な読者様等々に申し訳ない気持でいっぱい。
親戚に商家を持ち、商売人特有の教えを薄っすらとではあるけども仕込まれた身としては、サービス業を志すに当たっての当然のことしか書かれてなかったなあというのが正直な感想だった。
むしろ、通り一遍に喜んでもらえそうな作品・大衆ウケしそうな作品を書けばそれでヨシとはならないエンタメ小説を書き続ける界隈に身を置いてるものの立場からは「それだけでは読者様は満足せんのよ……さて、ではその先は?」とツッコミたいもやもやがつのった。
また、怖い話界隈、特に生者の世界と死者の世界の狭間にテーマのひとつを置いている立場としては、お葬式の描写やその後の記述におけるお母様の気持ちに意識がむかってしまった。生前は○○だったけど、その時になってみたら……というのは私も見たり聞いたりして、胸が痛んだり切なくなったりしたので。
遺言を残すまではいかずともエンディングノートを書き残しておくことを推奨される昨今の世の流れは、そういう表に出てきづらい経験の積み重ねなんだよな。なんてことを考えつつ。