Netflixにて鑑賞。
都市ボーイズさんのYouTubeチャンネルで岸本さんが感想をあげられていたのを、たまたま見たことで興味を持った作品。
一通り見終えた第一声は、
「令和にプロレタリア文学を流行らせたいのか?」
だった。
話の舞台は閉鎖的な村だけど、その歪さ・温かみの無さは、フィクションだと認識するにはあまりにも生々しい。いわゆる村民Aに至るまで、視線や言動が「数の暴力」に支配されている様子に、多くの鑑賞者にとって身に覚えのある光景に映るのではないか。
現実として、この手のコミュニティは山間の小さな村に限らず、都市部の至る所でも極小サイズにして形成されていて、その闇と根っこは度々陰惨な事件としてニュースになるほど深い。寓話的手法でこの映画にフィードバックしました、と言えばとてもナチュラルでよくできてるなあとも思えてくるけど、果たしてそれで良いのかなんなのか……。
古田新太氏は相変わらず下衆な笑顔がビターっと似合ってしまうし、黒木華ちゃんは素朴且つどこか大人になりきれない女性が嵌っていたのが、個人的にエンタメとして消化できる安心ポイントだった。
その他の役者さんもお芝居によるストーリーのデフォルメが見事なのだけど、横浜流星さんの終始「死んだ目」のお芝居は、この映画を根底から支える力強さだった。決して「怖い映画」とは呼びたくないけれど、彼の目の演技と滲み出る苛立ちには、村社会の恐ろしさの一端を感じた。