Amazon primeにて鑑賞。
久々にぎっくり腰をやってしまった。
湿布を貼ったら痛みがある程度引くまで、絶対安静。なんて惨めで退屈なんだろう……と思うなかれ、いまは布団の中に居ても映画が見られる!というありがたい時代。
そして私は相も変わらずホラー映画を選ぶのだ。
メキシコ製ホラーとのことで、にわか南米ブームが続いている私は、お気楽に見始めてしまったのだけど、見始めてすぐに己の軽薄さを呪った。脳内で百万回お尻ペンペンした。
ギャングが支配する街。本作に薬物描写は無いけれど、その闇に必ず繋がっているであろう、強い太陽光とくすんだ色彩の対比。否応なしに、例の小説を思い出してしまう。
なので、こういう作品が作られてしまう背景に、先ず泣かされてしまうのだ。
泣き女系の呪術ホラーにある泣かせ方とも違う、ただただ悲しい涙。
その本質は「現実に在る悲劇が、数パーセントでもいいから、この映画みたいな超自然に介入されたらいいのに」という祈りにも似た何かなのじゃなかろうか。
今や古典になってしまった、四谷怪談のような後味。
強くたくましい女性が望まれる昨今、否応なしに強さを強いられる弱き人々が、どのように生き延びていくのか?そこに思いを馳せつつ鑑賞していると、超常現象よりも恐ろしいこの世の地獄が見えてくる気がした。