あらたま@メモ魔通信

くらしの一コマ、ねこ、きもの、ラーメン、読んだ本、などな日々の活動メモ。書いて、読んで、猫と暮らす。丁寧ではないし、断捨離もしてないし、OLもしてません。

【読書記録】リーディング・ザ・タロット

 

 
 読みやすさ一択でライダー版タロットにこだわり続けてきた私。
 タロットの研究にガチで向き合うと決めてからだいぶ時が経ち、さすがにマルセイユ版を避けて通るのも難しくなってきた。
 マルセイユ版をベースに書かれた教本とは如何なるものか?
 ちゃんと読み込むために買いました。


【読み始め】2021年3月13日
【読み終わり】2021年7月28日

 

 

 

2021年3月13日
 オープニングから第一章まで。
 タロットをおっかなびっくりに初めて触る方のために書かれている箇所なので、正直飛ばしても良いかなと思ったけれど(著者も前置きでやんわりと推奨してらっしゃる)、ここは初心に返るが吉としっかり読むことにした。

 もはや、あまりびっくりもしない事だけど、も。
 シャッフルの仕方一つとっても個々人に違いがある。個性が出る。
 実際のところ、私とてもシャッフルやカットの仕方、もっというと場を整えるルーチンなど、どこかのタロティストと同じところもあれば全く違うところもあるんだもの。
 偉い人が書いた業界的ベストセラーに書いてあった通りのやり方を採用しても、読めなかったりピントがずれたりして要領を得ないなんてこともある。

 とどのつまり。
 膨大な数のメソッドがこの世に提示されているにもかかわらず、どれが正解なんてハッキリと断言なんてできないのだ。数々のメソッドを知り、試し、自分の心と体に一番しっくり馴染んで且つ実用に向いているメソッドを自ら構築する。それをして『研究』と呼び、多くの占術家や魔術師が日々研鑽しとるんだな。
 「自分の読み方と違う!ということはアナタの読み方は出鱈目だ、そんなものを世の中に開け放たれた場所で詳らかにしないで欲しいんですけどっ!」
 こういうクレームをつけてくる自称○○が如何に胡散臭いか。自戒を含む、が。
 ほんの数ページで土台に太い太い柱を打ち立てられた気分。
 
2021年3月15日
 パースペクティヴで読み解く手法は、始めのうちこそ「自分の視点はどこにおけば良いの?」と混乱したけど、図柄に憑依するかのように主観のチャンネルを変えるようにしてみたら何が腑に落ちて、一気に視界が開けた。
 
 ライダー版での読み解きは主に象徴や概念を表す言葉だったりを掬って再構築するというイメージだけど、パースペクティヴという手法であれば有機的というか生物学的というか……普段はなかなか見ることができない自分の背中や膝の裏、首の後ろみたいなところも観察できるような気がする。おもしろい。
 
 
2021年4月2日
 マルセイユ準拠のデッキは何種か持っているけど、正統派とはだいぶ構図もモチーフも変わってしまっている。マルセイユ版と見せかけつつ『剛毅』と『正義』がライダー版の並びになってるとか、疑問符が増えるだけのデッキもあるし。

 手元にあるデッキを参考に眺めながら読んでも、特段困ることは無いけれども、やはり正統派の札と対峙しながらの方が理解が早いだろうなあ。
 ライダー版・マルセイユ版どちらにも対応している別の教科書で図柄を確認しつつ読み進めるという方法で、まずはこのまま読み進めてみようと思う。
 それと合わせて、正統派マルセイユのデッキをお迎えする準備も進めよう。


2021年4月6日
 リヴィジョン。イメジャライズ。
 パースペクティブという単語に漸く慣れてきたところで、新しい単語が登場。
 英語の成績が芳しくなかった人間にとっては、厳しい試練が続く。
 とはいえ、ここまでは大変な手ごたえを感じつつ読み進めてきたのだし、ゆっくりと噛み砕いて行けば、新たな知的興奮が味わえると思う。


2021年6月3日
 今日も今日とて、唐突なカタカナ英語の出現に泣かされている。
 そして滅茶苦茶いいタイミングで差しはさまれる『タロット大全』への誘い。

 

 

 併読すれば理解度が高まりますよ……そりゃ、そうなのだろうけど。

 英語苦手な私は二の足を踏んでしまう。こちらの本もカタカナ英語満載で、いちいち辞書を引きながら意味を確かめ、その度に「何を読んでたんだっけ?」と同じ個所を二度、三度と繰り返し読んでしまうのだろうな。そうして、遅々として読み進まないのだろうな。そんな事を考えてしまうのだ。

 どうしたもんだろう?

 
 
2021年7月28日【読了】
 やっと読み終えることができた。足かけ四か月以上かかってしまった。
 とにかく英語が苦手。
 英単語はいちいちスペルを分解して意味を辿りながら読むので遅々として進まない。
 ところが本書はカタカナ表記が主だ。スペル分解という裏コマンドは通らない。
 一行一行を噛み砕くように読み、文字通り食らいつくように読み終えた。
 
 読んでみての感想は?と訊かれると、これは「読んで良かった」の一言に尽きる。
 むしろ、読むことでタロット世界全体を一段と高く・広く・奥深く分け入っていけるようになった。秘密の世界地図を手に入れたような気分だ。
 
 これまでに、どうにも読み切れない札が出ることは極々当たり前のことだった。
 そう言った場合は補足にもう一枚引いてみよう、で済んでいた。実際にその手法で問題なく満足のラインに到達する回答を導き出すことはできていた。
 しかし本書において提案される俯瞰的手法をミックスすることで、補足の札を頼らずとも場の展開を多角的に検証できるようになったのだ。
 近視眼的ミクロの眼とドローン撮影のようなマクロの眼、それらを使い分けることはすなわち洗練された札の展開を保持できることを意味する。そしてそれは、この瞬間にこの札を出してきたデッキへの信頼度をより一層高めることでもあるのだ。
 
 正直なところ、本書を完全に読み下し血肉にしたとは言い難い。
 それでもこの充分な手応えである。
 この先も繰り返し読み込んでいこうと思う。