Amazon Prime Video にて鑑賞。
2023年の新刊を書き終え、文学フリマ行脚の準備も着々と進み、ちょっとずつ心身に余裕ができてきたので「読んだり・観たり」の時間を取り戻していく。
【前】
YouTubeのチャンネル『家賃の安い部屋』の、いつだったかしら?
この作品に触れている回があって以来気になっていた。ざっくり『ハロウィン』みたいなシチュエーションコm……ホラー??
【後】
一応、ちゃんと、全部、通しでみた。
みたからメモを残すのだけど、なんともアメリカ的というか、パージ法というのがそもそもツッコミどころしかなく、作品の世界観を脳味噌に馴染ませるのに一苦労した。なのに……なのに、なんだ、このテンポの良さは!
テンポが良さが災いした稀有な作品。無駄なく無理なくプロットが進行するので、前述の世界観の馴染みの悪さが際立ってしまう。嗚呼。
私は『どんなフィクションも現世人類の脳味噌から出てきた以上、現実世界と何らかの接点・共通点がある』ことを持論に生きている。なのでこんなアホな法案――パージ法を通しちゃう架空のアメリカというのは、アメリカという国に住んでいる一部の人の脳味噌にそれを作る下地が無ければ創り出されないだろうと想像しちゃうので、その延長線として、嗚呼アメリカってのはどうしてこうも「やっつけるか・やっつけないか」の二択で物事を片付けるのが好きなんだろうなあとでっかいため息をついてしまうのだ。
そういう3Dメガネを、脳味噌に装着したまま鑑賞したもんだから、もう取り返しがつかなかった。
少年ジャンプの主人公みたいな少年が、少年らしい正義感から脊髄反射的に行動を起こしても、この作品の場合はワクワクするどころかイライラしかしない。世界のあちこちに余計な首を突っ込んでは、戦争の火種をまき散らすようなアメリカ的老人作法が見え隠れする。
いろいろ考えさせられる社会派ホラー、と呼べばなんとなく聞こえはいいだろうけど……私はホラーである以前にひとつの「お話」として、美味しくいただくことができなかった。胃もたれー。