たしか、Threadsのおすすめ内だったと思う。
本書を読んだ方の感想が熱くて厚くて、嗚呼また『癒されましたアナタも一緒に癒されましょう』みたいだなと一瞬腰が引けたんだけど、書影の佇まいにちょっと引っ掛かりを覚えたので読んでみることにした。
今回、この直感がどう転ぶか……タイトル通り、正解が出なかったりして。
【読み始め】2024年5月25日
【読み終わり】2024年6月1日
2024年5月25日
飛田和緒さんとの対談を一気に読んだ。
私のこれまでの人生と対極にある「丁寧なくらしに憧れる人が、モデルケースにしている丁寧な人生」がそこにあって、ため息が出た。どうぞお帰り下さい、と……やんわり拒絶された気がして。
正解がないどころか、明確に「道」が示されている。
断定はしていないけれど、柔らかな日の光の中を歩んできた人特有の、健やかさと自信に満ちている。
たぶん、著者と飛田さんには、そんなつもりは微塵もないのだろうけど、私は一発目から「言葉にできないモヤモヤ」を抱えることになった。なったけど、未だトドメを刺されるまでは至っていない。
2024年6月1日【読了】
正解がないから、というのがただ一つの理由ではないのだけど、なんとなく途中のメモを残す気力がないまま読み終えてしまった。
私は聞き手の大平さんと違って、人格が捻じれて折れ曲がってしわくちゃなので、話し手の皆さんの言葉に「確かに」と簡単に頷けないし「腑に落ちました」と一旦飲み込んでみる勇気もない。
本書のレビュアーの多くが書き残しているような、気持ちが軽くなるというような読後感も、当然のごとく得られなかった。
皆さん、モヤモヤを常に抱えているとおっしゃるが……自信に裏打ちされた背筋はしゃっきりして晴れ晴れと歩いてらっしゃる方ばかりなんだもの。
人生の折り返しをちょいと過ぎても、道草ばかりで迷子上等の私には、本書はいささか眩しかった。かえってモヤモヤさせられた、最後まで。
一年後、三年後、五年後……十年後?はまだこの世で元気に本が読めてるだろうか?
今から少し未来で本書を手に取った時、あの頃は随分と打ちのめされてたな……と嘯いたなら、その時こそ私も「あー確かに」と軽やかにページを捲れるだろうか?
なんとなく、そんな事を祈りつつ、モヤモヤと。