あらたま@メモ魔通信

くらしの一コマ、ねこ、きもの、ラーメン、読んだ本、などな日々の活動メモ。書いて、読んで、猫と暮らす。丁寧ではないし、断捨離もしてないし、OLもしてません。

【読書記録】注文の多い料理小説集

 

 『ゆしま一箱古本市』に出店した際、同じ並びで出店中のkafkaさんから購入した一冊。カバーデザインが御洒落で、ぱらりと捲った一本目のお話の書き出しも、これでもかってくらい御洒落。

 普段はこんな御洒落小説を敬遠しがちな私だが、テーマが『料理』となると話は別。生きとし生けるものが避けて通れない、本能そのものの「食」を前にして、ここに収められた小説たちはどんな人間の隠し事を暴くだろう?

 

【読み始め】2024年1月24日
【読み終わり】2024年1月30日

 

 

 

2024年1月30日【読了】

 東京カ〇ンダーみたいなウマい話かと思いきや……痛快に転がされた一作目から始まり、上質なミニシアター系映画を鑑賞するような爽やかさ・救われなさ・しぶとさ……を怒涛の如く味わって、最後になんとも甘いデザートのようなお話まで用意してもらって、いやはや贅沢なフルコースの一冊だった。

 

 一日一本読む予定でいた作品集だったけど、気付けば二本読んでしまう日もあったり、己が『食欲』ならぬ『読書欲』と闘うことの難しさを突き付けられた一冊ともいえる。

 

 個性の方向性が全く違う作家が同テーマで集うのは、飛ばし読み上等の雑誌と違って文庫本にまとめ上げるのはとても難しいことだと思う。こういう話を……と注文を受ける作家の側も趣向の凝らし方から始まり、全体のバランスなど考えなければならないことはたくさんあるんだろうなあ。

 あ!

 だから『注文の多い料理小説集』なんていう、一見してダジャレみたいなタイトルが付けられているのかも??