あらたま@メモ魔通信

くらしの一コマ、ねこ、きもの、ラーメン、読んだ本、などな日々の活動メモ。書いて、読んで、猫と暮らす。丁寧ではないし、断捨離もしてないし、OLもしてません。

これは怖かった……ホラー小説・5選

選考基準は『再読したくない』です

 怖い話と聞いたらば、読まねば私の矜持がすたるというものだ――
 実話・創作の区別無く怖い話ならば読みたいオババの私が「これは怖かったなあ」と思った本をご紹介。
 ホラーはちょっとなぁ……という方はブラウザバックを『強く』推奨です。
 御興味お有りの方は、どうぞゆるりとお付き合いくださいませ。
 

新旧取り混ぜ

 これまで読んできた中で特に鮮烈な読後感を覚えたものを選んでみました。

 処分したら呪われそうな本ばっかりになったヨ( *´艸`)テヘヘ

 
天使の囀り
天使の囀り (角川ホラー文庫)

天使の囀り (角川ホラー文庫)

  • 作者:貴志 祐介
  • 発売日: 2000/12/08
  • メディア: 文庫
 

 アマゾン奥地に探検に行った人たちが、次々と不可解な死を遂げていく。

 彼らに一体何が?

 

 絶賛されたり酷評されたり、作品が発表されるたびに読者の心をかき乱す貴志先生の医療系ホラー作品。貴志先生の作品が賛否両論真っ二つに分かれるのは、先生がそれだけ物語作りに真摯なのであり、ホラーという舞台に対して妙な手加減をしないという覚悟の表出なのだと読み受けております。

 

 さて。本書ですが……医療系だけに肌感覚の気色悪さが抜群でして、細部まで徹底的に読後感の悪さにつなげていくという。なんといいますか……私もいつかはこういったものを書きたいと思った次第です。

 二度と読みたくないけどね。

 

ホットゾーン

 エボラ出血熱パンデミックを防ぐために闘った医療関係者たちとエボラウィルスの詳細な記録が詰め込まれている本書は、一人でも多くの人に読んで欲しいと思います。

 

 新装版が出たということで、これは入れとかなければ!と。

 初版は上下巻の単行本だったかな、アルバイト代を持って本屋さんにすっ飛んで行って買ったのです。大学生だったなあ、懐かしい。

 新装版の最初の方がnoteで無料公開されてたので読んだのですが……うん、大変に怖いですね、瞬時に初読時を思い出し「読まんとこ(+_+)」と思いました。

 

 本書は実話ホラーではなく、実録医療記録を物語風味付けで書いたもの、という説明が一番しっくりくるのではないでしょうか。

 ウィルスという肉眼では負えない存在と闘うという事がいかに大変で恐ろしく、また最前線で立ち向かう人々の御苦労が如何ばかりなのか……コロナウィルスの脅威に未だ予断を許さない今、健康体を保つことの意義についても本書を読むことで考えてみてはいかがでしょうか。

 

残穢
残穢(ざんえ) (新潮文庫)

残穢(ざんえ) (新潮文庫)

 

 『私』のもとに送られてきた手紙には、とあるマンションの一室についての奇妙な話が書かれていた。そこから始まる『符合』の数々はやがて――

 

 映画化もされて、そちらもご紹介したことありましたね。 

tama-memo.hatenadiary.jp

  多くは語りますまい……『十二国記』の中で『魔性の子』が一番好きだわ!という方で未読の方は是非ご一読を。

 某事故物件サイトが全ての事故物件を網羅してるなんて、思わないほうがいいですよ。と、だけ……。

 

のぞきめ
のぞきめ (角川ホラー文庫)

のぞきめ (角川ホラー文庫)

 

  夏休み中の大学生が、ちょっとした冒険心を起こした弾みに恐ろしい目に遭ってしまいました……という、ネットの何処かに書かれていそうな話から引きずり出される因縁とは――

 

 サクッと読めるものを探していた時、表紙も可愛かったし、カバー裏のミニ解説も読まずに買ってしまったんです。

 「遅れるから先に一杯やってて」という待ち合わせ相手のメールに乗っかって、ランチビールやりながら読み始めたら、うわー飲みながら読む本じゃないーと半泣き。

 

 怖いというよりも、嫌が厭になるほど詰まってる話なんです(褒めております)。ミステリの仕掛けもありますけれど、様々なタイプの嫌な感じが漂っているのです。

 液体が満たされたグラスの、表面に映る歪んだ壁紙の模様とかが気持ち悪くなってくると、昼から酔っ払ってやろう!なんて気分はどっかに行っちゃいました。

 

さむけ

 達人たちによる、ホラーの競演。

 

 表紙を見た瞬間に「錚々たる顔ぶれ……でも、復刊なの?」と、本自体のバックグラウンドも知りたくて買いました。

 全編ぶっ通しで読み、何故版が途絶えていたのかすぐにわかりました。

 どの話も、滅茶苦茶に性格が悪く胸糞が悪い!←褒めてますよー。

 

 ホラーというのは、人間の本質を描くものだと常々私は思っています。そこには綺麗事も道徳観もなく、ただただ生き物としての本能に上っ面の理性が敗北した瞬間を切り取ったものがそこに「ある」のです。だから、その怖さには説明が付けられず、説明が付けられないからこそ怖さは一層深さを増すのです。

 一時期『泣けるホラー』や『癒される怖さ』といった話が現れましたが、私の中でそれらは怪談の管轄であり、大いに混乱しました。怖くて号泣という意味で泣けるホラーというのはまだ何とか理解できますが、怖さで癒しとは是如何に?てなもんで……。

 その観点から。本書は正に、純然たる『怖』だけが糞真面目に詰め込まれたアンソロジーだと思いました。特に『天使の指』という作品の、どうしようもなさときたら!現代人の嫌な所が行間にもビッチリ詰まってる、恐ろしい短編です。

 もうね、絶対。二度と読まない。

いかがでしたか?

 天使に始まり、天使に終わる。
 ホラー小説を紹介するにあたり、ちょっと配列で遊んでみました。
 
 医療系が実話・創作それぞれから一作ずつ入ってしまったのは、御時世とは関係なく、私が病気・病院・お医者さん・看護師さん等々に並々ならぬ恐怖を抱いているからです。
 現代怪談で多いんですよね、病院が舞台で「過去の」医療スタッフが登場して……っていう話。私はあの系統が一番怖いんです。誰にも、病気にだって悪気はないのに、なんだか物悲しくって。やり切れない気持ちというのは、時に怖さにスパイスのように効く時があるんですね。
 
 既に初夏の陽気を感じることもある今日この頃、今年も暑くなりそうなことに加えておこもりも推奨される様子ですから、ギンギンに涼しくなれる本のご用意してみませんか?
 今回、その御手伝いができたとしたら、大変うれしく思います。
 
 

というわけで

 本日はここまで。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 またね~バイバイ(ΦωΦ)♪