読書記録を別記事仕立てで書いてみる試みの、記念すべき一冊目。
読み始めは2020年10月27日ですが、諸事情あって、記録は11月1日からスタートです。
本書は神保町の書泉グランデさんで購入しました。
2020年11月1日
キリスト教(主にカソリック)が生活の基盤にある土地柄で、今よりも信仰が人々の主義主張の根幹を支えていた時代。女性に対する制約は私の想像を絶して厳しく、思ったことを思うまま表現することも許されず、鬱屈した日々を過ごす人は多かったろう。
その条件下でも、自由を何よりも愛し、自分の生きざまを自分で切り開く道を選んだ人もいただろう。一人生きるために研鑽を積み、磨いて、誰に媚びることもなかった人もいただろう。また、そうした一部の人々を、信仰の庇護のもと不自由なく暮らす己と見比べて羨ましく妬んだ人もいたに違いない。
社会の仕組みに抗ってまで生き抜こうとした人とその生き方に嫉妬する社会。その齟齬と誤解が、中世における『魔女』という概念を産み出したのだろうか。
2020年11月4日
一項目に一つ必ず添えられているアートがとにかくかわいい。
私のお気に入りは、ハロウィーンのカボチャ頭の子供たち。
事典としても、アートブックとしても、眺めるだけで嬉しくなる。なんて素敵な本をお迎えしたんだろう!
2020年11月8日
キリスト教から見たら、異教の女神は魔女で彼女等が起こす奇跡は魔術扱いなんだなあ。つくづく、宗教感を政治に持ち込むとろくなことにならないなって思う。歴史が証明するってのはこういうのを言うんだろう。
その一方で、キリスト教圏の人々は魔女や魔女的なモノが好き……奥さまは魔女への言及が出たときは、すっかり忘れてた魔女だった!てなもので、近代文化に物の見事に浸透しちゃってて笑えた。
2020年11月11日
オオカミ男!ドラゴン!グリフォン!
魔女の棲む場所には、かくも魅力的な生き物がたくさん。ユニコーンのように、効能を求めて体の一部が狙われ、濫獲されそうな動物も多いけど……現代の魔女は動物を絶滅させてまでも名声を得たいなんて思わないでしょ?
2020年11月16日【読了】
事典、と銘打つには少々ボリューム不足のような気も(個人差)。
魔女というカテゴリの入門書、魔女に興味のあるティーンたちへの一冊、かつてティーンだった魔女志願者やオカルト愛好家の愛憎アイテム……そんな位置づけで手に取るならば満足な本かな?と思った。
現に、装丁や収録されているカードコレクションにメロメロになっている私が居る。
おそらく、ちょっと一息入れたい眠れぬ夜なんかに、いつの間にか手に取ってページをめくるんだろうな。
そうやって何度も何度も、大事に。
眺めて、読んで、しみじみと。
噛み締めるように読んでいくんだと思う。
昔、魔女になりたいと叫んで怒られた子。
今、魔女になりたいけど、そもそも魔女って何と思っている子。
遍く魔女に興味のある人々に、読み継いでいってほしいな。