怪談に貴賤なし
私が常々考え、話しているのは「怪談て、どんなに短くても長くても、みな等しくおもしろい」ということ。
なんか変なの。とか、ちょっと不思議ね。というお話にも必ず背景や理由があって(そっちの方が大変興味深い場合もある)、そこまで知るに至って「なんと尊いお話でしょう」と大化けすることもあるのです。
でもね。嘘は良くないなと思うのです。100%実話と銘打っておきながら、創作丸わかりなお話とかね。見てもいないモノを「見た!」「聞いた!」と出してしまうとか。創作なら創作でも良いのです。堂々と胸をはって「さあ怖がるが良い!」と丹精込めて練り上げたお話を味わう事の何がいけないのでしょ?実話だけが怪談ではないでしょうに……。
そんなわけで。怪しげで怪談愛に希薄なお話も多い昨今、初見のお話はついつい疑い深く読んだり聞いたりしてしまいます。こんな自分がやんなっちゃうなあ、もう。
信頼度の高い作家さんは貴重な存在になりつつあるのか?
今日の読書メモは、いろんな意味で「怪談に対して厳しい」先生の御本について。素材のさばき方も味付けも、私は絶大の信頼を置いています。
読もうと思ったきっかけ
平山夢明先生の実話怪談集。今読まずにいつ読むのか?というわけで読んだ。
三行感想
- え、凄く真面目に実話怪談してる!というのが感想第一声。ホントに真面目にキモチワルイ話だらけ。
- 装丁がポップでオシャレ(と、私は思ったのです)だったから、平山先生らしい『ちょっとの笑いが怖さを誘う』話も入ってると信じてたらとんでもなかった。
- この本に納められているのは世に溢れる実話怪談のほんの数話に過ぎないのだと考えると、果たしてどれだけの人々が日夜心霊的怖いエピソードに遭遇しているのか?時代が移ろっても、人が暮らしていく限り、実話怪談は産まれ続けるのだろうかね。
今後にどう繋げる?
そろそろ創作怪談を読んで、クールダウンしておこうかな
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