東の海神(わだつみ) 西の滄海―十二国記 (新潮文庫)posted with amazlet at 15.01.20小野 不由美
新潮社 (2012-12-24)
売り上げランキング: 7,266
延国に尚隆が即位してそんなに時間が経っていない頃のお話。講談社版を読んだときに、あまり良い気分で読み終えた記憶がありませんでしたが、今回もまあ……うーん。
完璧超人が登場しないというところがこのシリーズの良いところだと思っているのですが、このお話の場合、登場人物達の欠点同士が共鳴しあって余計な悲劇を呼んでしまってるというか……完璧な振る舞いは求めてないからせめてラッキーパンチが一発出るくらいは許しても良いんじゃないかなあと悶々としてしまいました。
ああ、でも。そしたら独特のリアルさが無くなってしまうか。
こうやって悶々としてしまうこと自体、作者の術中にはまってるって事なのでしょうね。ああ愉しかった、次の本を読もうとあっさり進むより、ほんの五分でも王様の素質ってなんなのさと考える「思考する付録」を味わう方がお得と考えることもできるし。
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