前々から薦められていたのですっかり読んだ気になっていましたが、やっぱり読んでないや!と思い出したのを話題の端に乗せたら「電子書籍で持ってるよ」と家族が貸してくれました。ほぼ一気読み。
300ページも無い小説を約一週間かけて読むこともザラな私が、三日もかからず読み終えました。寝る前に布団の中で「うとうとするまで……」と決めて読み始めたのですが、うとうとなんて出来ないおもしろさ。
ドラえもんのエピソードの中でどれが好き?と訊かれたら即座に「ぼく桃太郎のなんなのさ!」と答えることにしているのですが、ぼく桃(面倒なので勝手に省略)にもおそらく影響を与えてるだろうなっていう、読後スッキリのタイムパラドクス小説でした。大好きです、こういうお話。新作で、さもオシャレっぽくダラダラとご託を並べてくる小説よりも、こういう古典(と言ってしまって良いのかな……)SFを古典と割り切って読んだ方がよっぽど私には合っているようです。シンプルなお話をシンプルな筋立てで進めるって、ほんとに素晴らしい。
元々のお話がパワーを持った作品なのだというのは十二分に承知しているのですが、そのパワーをしっかりと引き出した的確な翻訳センスもまた、この本の欠くことの出来ない重要な要素だと思いました。
翻訳者の方が手がけた本、集中的に読んでみようかな。
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