一鬼夜行 (ポプラ文庫ピュアフル)posted with amazlet at 13.02.05
一日30分と時間を決めて、ゆっくりじっくり読みました。へんにドタバタしない日常系、それも真摯な妖怪系。いきおいに任せず読んで正解でした。引き込まれるにままに大急ぎで読むのなんてもったいない。
解説には『バディ系』なんて言葉も出てきましたが、確かにそう呼ぶこともできるでしょう。あの二人の関係に萌え転がる〜!なんて妄想たくましく読むこともできるでしょう。
でも、そんな画一的な読み方では、ほんとにほんとにもったいないと思います。江戸の匂いが色濃く残る明治初期の、なんとも言えない開放感とか新しさとか、そういった空気感もすてきに表現された中で、余計な装飾なく語られるアヤカシのお話です。妄想はちょっとお休みにして、物語にどっぷり浸かって愉しみたい。
木綿の単衣に半幅を締めて、ひなた燗をちびりちびりやりながら、浅漬けを肴に読むとか……さすがにそこまではやりすぎか(--;)