ザ・リンク―ヒトとサルをつなぐ最古の生物の発見posted with amazlet at 09.11.13おすすめ度の平均:読後感
眠れるメッセル・ピットの美女イーダの物語
拍子抜け
急ぎ過ぎで説明不足
大好きなジャンルの本です。
新しい発見、それも歴史を揺るがすような発見かも!……それだけでもわくわくします。わくわく先行で読み始めたので、読み終わったときにはちょっと「うーん。。。」な感じでした。
古生物学って何でしょ?という人から生物分類の鬼を自称するであろう人にまで理解してもらおうという仕掛けのもとに、世紀の大発見「イーダ」が発表されるにいたった経緯が描かれているのですが、これがすごく読みにくいというか……わかりにくかったです。
古生物学全体にイーダが及ぼすであろう影響からイーダがいかに異質な存在であるのかまで、生物の系統図のように構造化して書いてあります。一見、とても親切でわかりやすく思えますが、同じ説明を何度もされているような錯覚に陥ったり、枝の末端にまで猛スピードで行き着いた結果「なぜ今ここでこの話を持ち出すのか?」といった違和感が湧いたり、とにかく読んでいて腰が落ち着かないのです。
冒頭に戻りますが、大好きなジャンルです。なので、イーダにまつわる物語は、まだまだ楽しみたい・楽しみつくしたい!というのが本音です。このままで埋もれさせたくないなあ。
本書を俯瞰すると、映像向きの内容だなと思った人は少なくないはず。私も本書を半分読み終わらないうちから「NHKでやらないかなあ」と思っていました。
巻末によると、主人公・化石のイーダと彼女を研究した「ドリーム・チーム」のお話は、すでに海外でドキュメンタリー映像化している(?)ようなので、そちらが日本で公開されることを楽しみにしたいと思います。