木綿のきものは普段着で着るものです。コットンシャツにデニムのロングスカートを合わせるとか、ダンガリーのシャツをざっくり羽織るとか、そういう感覚で着るもの。お料理したり、お洗濯したり、近所のスーパーに買い物に行ったり……そういう普段のきもの。
デニムの単衣に始まって、プリントコットンの遊びきものと手を伸ばし、それなりに木綿きものライフを愉しんでいたのですが、そんな普段着で「ご近所」だけでなく「ちょっとオシャレな雑貨屋さんとかカフェのあるとこ」に遊びに行きたいなという欲が出てきました。
きちんとしたワンピース=小紋でおめかしするほどでもないけど、コンビニに行くときと同じような格好ではなく、もうちょっときれいなシャツが着たいなとか、ジーパンじゃなくてスカートが履きたいとか……そういうオシャレ普段着が欲しいなあと。
そしたらね、あるんです。そういう「上質な普段着」的きもの、木綿のきものが。お洋服にも「上質なオーガニックコットン使用の、着心地抜群」みたいな普段着、あるでしょう?ああいう感じです。
伝統ある、ブランド木綿きものともいうべききものですが、そこは木綿の「普段着」ですから正絹のきものよりうんとリーズナブルで、手入れも簡単に着られます。でも、最近のお洋服地をミシンで仕立てたものよりは、断然オシャレできちんと感があるのです(これはもう、見たら一発でわかるよ!としか言いようがないんだけど)。
産地別で何種類かあるのですが、格子柄や縞がどれも素敵です。いい感じに肩の力が抜けていて、かっこよくてかわいい普段着。たくさん着てたくさん洗って、末永くかわいがってねというきものです。なんと素晴らしいんだろう、いつかは欲しいな!せめて一枚でいいからと、100個の夢リストのうちに入れておいたのでした。
そして時は流れ------このたびご縁があってそんな素敵木綿のうちの一種、片貝木綿のきものをお迎えしました。正絹はおろか、デパートで見かけた「高級浴衣」よりもリーズナブルな価格だったのがびっくりでした。
片貝木綿のヘビーユーザーの方によると「着て洗ってまた着てを繰り返し体に馴染んでくると、ガーゼみたいにふわふわになって着心地がどんどん良くなる」のだそうです。ただでさえ軽くて暖かなのに、ガーゼみたいってどんなのだろう?と育てるのが楽しみになってきます。
ベーシックな茶を選んだので、家にある半幅帯を片っ端から乗せてみようとか出番の少なかったカジュアル帯をぴっぱりだそうとか、さらに夢が広がる展開。どんどん着て、ずっと仲良しでいたいなあ。