あらたま@メモ魔通信

くらしの一コマ、ねこ、きもの、ラーメン、読んだ本、などな日々の活動メモ。書いて、読んで、猫と暮らす。丁寧ではないし、断捨離もしてないし、OLもしてません。

怪談実話系 書き下ろし怪談文芸競作集

 夏ですねえ。夏といえば、ビールと枝豆。そして------怪談ですよね(うっふっふ……)。私にとって怪談は。無くなったら夏が成立しないと断言するほど大切なものです。

 怪談に対する熱い気持ちを書こうかと思いましたが、それこそ長くなって夜が明けてしまう勢いになりそうなので止めておくとして。
 世間一般の夏休み初日に読んだ怪談本が上の文庫本です。10名の怖い話テラーによる、豪華書き下ろし作品集。怖い、そこはかとなく気持ち悪い、もうもう怪談シーズンのスタートダッシュのための一冊といった感じでした。


 大好きな作家ばかりでほんとに心躍るまま読み終えたのですが、トリに岩井志麻子さんの作品を持ってきた編集はさすがだなと感心しました。
 実話系というテーマに則りすぎていて、日常の良くある世間話から始まる彼女の作品は「緊張感に欠けない?」と少々不満をこぼしそうになるのですが、徐々に加速する不気味さは凄みを感じるほどで、目が離せません。そして、ブレーキとアクセルをわざと踏み間違えたのかというくらい衝撃のある、不気味なラスト。彼女はちゃーんと、最初っから「怪談」を書いていたんだなあ、なんて気味の悪い……


 お後がよろしいようで。という〆の台詞を敢えて言ってしまいたくなる文庫本でした。うっふっふ。