解夏 (幻冬舎文庫)posted with amazlet at 10.06.21
感動させてやるぜ、泣かせてやるぜ……そういう「あざとさ」が微塵も感じられなかったのがうれしい驚きでした。
なので、気づいたときには頬の上を静かに涙が伝っていました。号泣ではなく、ホロホロと泣いていました。
表題作はテーマが奥深いので、もう少し歳をとったら今以上にずっしりと響いてきそう*1。
秋桜とサクラサクは、どちらも同じくらい好きな作品。生きることは決して楽しいことばかりじゃないけど、不幸せだけでもないのよねという救いがあります。
水底の村は、著者自らがメガホンをとる→小さな小さな映画館での単館上映、というイメージがパッと出てきました。他の三篇に比べるとエッジの効いている印象です。
今日は夏至。
お天気は明るい曇り空でしたけれども、本書のおかげでなにやら爽やかに感じられました。
爆笑することも大切だけど、しみじみ泣くということも人生には必要なんですね。
*1:スミマセン、まだまだ人生ハナタレなんです;