あらたま@メモ魔通信

くらしの一コマ、ねこ、きもの、ラーメン、読んだ本、などな日々の活動メモ。書いて、読んで、猫と暮らす。丁寧ではないし、断捨離もしてないし、OLもしてません。

完訳 ギリシア・ローマ神話〈下〉


 私の趣味からすると、上巻よりもこちらの方が断然おもしろかったです。

 ギリシア・ローマから、アイルランドや北欧、はたまたインドの神話にまで言及されていくことで、地球上に「神話」と呼ばれるモノがダイナミックにつながっていきます。その感じがたまらなく、ワクワク感をかき立ててくれて、他の神話も読んでみたい!という欲求を刺激されました。



 上下巻あわせての感想を、ちょっとだけ。
 人種や地域の別なく、人間は天体の動きに神秘を感じ、天変地異に畏怖を覚え、動植物の営みに愛をみる------とてもシンプルだけど、ただそれだけで十分なんじゃないの?と思わせてくれる世界観て素敵。
 実際に神様がいるとかいないとか、見たとか見ないとか、そんなのどうでもいいのです。目の前にある物、聞こえてきた物に「わぁ、すげぇ!」と感動できる心があれば、いいというヤツ。
 改めて正面から向き合ってみると、昔々の神話に息づく神様って、本当に懐が深くてすごいなって思います。

グラスホッパー

グラスホッパー (角川文庫)
伊坂 幸太郎
角川書店
売り上げランキング: 1302
おすすめ度の平均: 4.0
4 面白いんだけれど、あと一歩かな
3 淡々とした物語
3 そろそろだれてきた
5 エンターテインメントの傑作
4 どこか平和な殺し屋小説

 久しぶり、伊坂作品!きっとおもしろいに違いなし!!



 ------と、うっきうきで読み始めたんだけど、読み終わったときにはぐったりでした。

 たぶん、登場人物の誰に惹かれるかで、この作品の読み方・おもしろポイントが変わっていくのでしょうね。
 私は別に好きでもないのに、完璧に「鯨」にやられました。鯨に酔った、といってもいいかもしれません。
 あ−、まだ鬱々としている……リーダビリティの高さも合わせ、それだけ伊坂さんの筆が冴えてたってことの証明なんだろうなコレが。


 私はこの作品をしてハードボイルドであるとは思わないし、殺し屋小説とも思いません。あえて分類するなら「伊坂光太郎キューブリック小説」かな。なんだそりゃ、意味わかんない。